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April 29, 2007
第80号 囲碁と孫子の兵法
ご存知の方も多いと思いますが、『孫子』は兵法書で、 戦争の法則性を研究し、勝つため、或は負けないための戦略戦術を追求したものです。 戦いのゲームである囲碁もこの兵法に学ぶことがたくさんあります。 その中に『風・林・火・山』という有名な一節があります。 疾風のように行動するかと思えば、林のように静まりかえる。燃えさかる火のように襲撃するかと思えば、山のごとく微動だにしない。 1.その疾き(はや)こと風の如く、 2.その徐(しず)かなること林の如く、 3.侵略すること火の如く、 4.動かざること山の如し 孫子を学んだ歴史上の偉人、戦国武将や世界の政治家は数多く、その中で、 戦国武将、武田信玄が『風・林・火・山』の四文字をとって旗印としたことはあまりにも有名です。 『風・林・火・山』は勝利の条件として静と動の組み合わせの重要性を説いたものですが、囲碁にも当てはまります。 しかし、これは戦う決断をしたあとの戦略を言っているのであって、 『風・林・火・山』の前に、実は大切な一節があります。 戦争をすることは多大な被害をもたらすので、他の方策を採れるならばそちらの方が良いと説いているのです。 戦わずして勝つのが最善というわけです。 初級者に限らず、囲碁でも戦う必要のないところで、いきなり接近戦を挑み、自滅しているケースがよく見受けられます。 「不利なところでは戦わない。」 これも孫子で説かれています。 戦うべきところでは速く、激しく徹底的に攻める。 攻めが利かないときは、相手の隙ができるチャンスをじっと待つ。 この静と動のメリハリこそ、 『風・林・火・山』 この話を聞いただけで上達しそう! な気がしませんか? |