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第137号 囲碁の奥義「黄金比」

囲碁では石の形が重視されます。

美しい形は強い。

と言いますが、それは見て感じてください的なことで、
あいまいにお茶を濁すことが多いようです。


『これが美しいと実例を見せられても、

未知の形を見せられてそれが美しいかどうか
あなたのセンスで判断してください、


というのはどうも納得がいかない。

具体的な美しさの基準はないのか?』



という不満をあなたは持ったことはないでしょうか。


プロ棋士がその著書で石の形の美しさの数理的基準に触れる
のを私は見たことがありません。


広く、いろいろな分野で黄金比という美しさの基準が採り上げられています。



黄金比とは、「1対1.618」という比率で、
これが最も美しい比率と呼ばれています。



この比率で作られたものには
ギリシアのパルテノン神殿、ミロのヴィーナス、モナリザなどが有名で、
芸術分野に多数存在します。


テレビの画面やトランプ、クレジットカードなどのカード類もこの比率が
使用されています。

ホームページのデザインにも黄金比活用する試みもあるようです。


1対1.618という黄金比を囲碁に当てはめると、
5対8(1対1.6)という近似値を用いることになります。

石の数でいえば、1図が5対8の比率で囲んだ地の形です。


どうでしょう。
できるだけ相手に侵入されにくいという条件を満たして
もっとも広く安定した地になっていると思いませんか?

1図
**ABCDEFGHJKLMNOPQRST**
08├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤08
07├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤07
06├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤06
05├┼┼┼┼┼●●●●●●●●┼┼┼┼┤05
04├┼┼・┼┼●┼┼・┼┼┼●┼・┼┼┤04
03├┼┼┼┼┼●┼┼┼┼┼┼●┼┼┼┼┤03
02├┼┼┼┼┼●┼┼┼┼┼┼●┼┼┼┼┤02
01└┴┴┴┴┴●┴┴┴┴┴┴●┴┴┴┴┘01
**ABCDEFGHJKLMNOPQRST**


しかし、
地のほうに目が向けば2図のように地が5対8の比率でできている
図が当てはまることになります。


さて、どっちが黄金比なのでしょうか。

2図
**ABCDEFGHJKLMNOPQRST**
08├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤08
07├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤07
06├┼┼┼┼●●●●●●●●●●┼┼┼┤06
05├┼┼┼┼●┼┼┼┼┼┼┼┼●┼┼┼┤05
04├┼┼・┼●┼┼┼・┼┼┼┼●・┼┼┤04
03├┼┼┼┼●┼┼┼┼┼┼┼┼●┼┼┼┤03
02├┼┼┼┼●┼┼┼┼┼┼┼┼●┼┼┼┤02
01└┴┴┴┴●┴┴┴┴┴┴┴┴●┴┴┴┘01
**ABCDEFGHJKLMNOPQRST**


地の形ではなく、石の形を問題にしているので
本来の意味でいえば1図が黄金比ということになります。

比率でいえば、石と地のどちらを見るかで、
かなり違うのに

眼の錯覚でどちらも同じような形に見えますね。


感覚を磨け!
と言っても、所詮、人間の感覚というのはこれだけいい加減
なものであるということです。


できてしまえばどちらも侵入されることはないでしょうが、
そもそも2図のような大きな地は作る前に妨害されて、

なかなか作ることができない、
というのが現実でしょう。


実戦では1図(24目)を目標にするといい地ができるかもしれません。


使った石の数と地の大きさの関係で効率が決まり、
その効率と美しさはそれなりに比例しそうです。

つまり、効率的に作った地は美しい。


さらに作ることを妨害されない程度の広さでなければならないと・・・

現実には厳しい制約がつきますね。



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