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第212号 衰えぬ囲碁力

私は父と囲碁を打ったことが2度あります。
父は40代からは書道一本でしたので、
囲碁はおそらく若い時、20代~30代で覚えた
のだろうと思います。

自称1級でした。
昔の1級ですから、
今のインフレ段級位でいうなら4~5段ということになります。

1度目は私が10級のころ。
レベルが分からないと言うことで
私が黒の互先で打ちましたが、
序盤で勝負は決まりました。
9子置くべきでした。

2度目はそれから3~4年後、
私が初段のとき。
いまから8年くらい前です。

同じく、私が黒の互先で打ちました。
1度目ほどひどくはありませんでした。
しかし、終盤に入って、
形勢判断をしたら、私が10目負けています。

このまま普通にヨセたら、負けます。
それで、
断点の残る隅の白地に打ちこみました。

ダメもとです。
ここに応手されれば終わり・・・

しかし、
う~んと唸って
父は間違えました。
そのまま白地になだれ込んだところで
父が投了。

父曰く
「そういう手を打たれると
もう、ヨム根気が無いんだよ。」

そのとき、父は90歳。
なに年寄りいじめてるんだよ、
って怒られそうですが、

昔の1級、今の5段とはいえ、
40歳から50年間も囲碁を打っていない人が
現役バリバリ?の私とここまで打つんです。
すごくないですか?

たしかに
ヨミの力は年齢とともに衰えます。
トッププロが
50歳を過ぎてタイトルから遠ざかるのは
そのためです。

しかし、布石や手筋などは
50年経っても身についたまま忘れません。

50年ブランクがあろうと、
1度段位に到達した人には
へっぽこ級位者など足元にもおよばないのです。
それを私の父が証明してくれました。

ブランクがなければ、
ヨミの衰えも大したことはないのです。

仕事も、勉強も趣味も
たいていのことは
年月を経れば衰え、ゼロに近づいていきます。


囲碁ほど
努力が無駄にならない
こんな効率のよい趣味はありません。

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