トップページ > 2015年08月
August 26, 2015
第310号 未完の対局
私のもうひとつのメルマガ、 「ワンポイント囲碁」260号 http://archive.mag2.com/0000143511/index.html において、100歳を迎えた呉清源九段の布石の最新著書を 紹介したばかりでしたが、 11月30日に呉清源九段が亡くなったと 1日の新聞で報道されました。 とても残念です。ご冥福をお祈りいたします。 呉清源九段といえば、布石の研究で有名ですが、 昭和33年に木谷實五段(当時)とともに発表した 「新布石法」が当時の囲碁界に旋風を巻き起こしました。 これは中央志向の布石で、 武宮正樹九段の宇宙流もびっくりするほど 今でも斬新です。 井山裕太九段は呉清源九段の訃報に対するコメントの中で、 呉清源九段の考えが今、やっとプロの碁にも現れ始め、 時代が呉清源九段に追いついてきた、 と言っています。 50年もかかって、やっと理解され始めたというわけです。 「新布石法」って、一体どんなものだったのか・・・ 早速、その布石をお見せしましょう。 ![]() これは黒番、木谷實 対 白番、呉清源の対局です。 木谷實が25歳、呉清源が20歳で、ともに五段でした。 こりゃあ、武宮正樹九段の宇宙流どころではありません。 井山裕太九段の言を否定するつもりはありませんが、 時代はまだこの布石思考に追いついていないかもしれません。 木谷實 対 呉清源 の対局といえば、 支那事変から第二次世界大戦へと進む中、 呉清源が中国国籍であったため ふたりの対局が中断されたことがありました。 (戦後、呉清源九段は日本に帰化しています。) 1972年に中国(中華人民共和国)との国交正常化 が実現し、その10年後にこの未完の対局をモチーフにして 日中合作で映画が作成されました。 現在、中国の対日政策が硬化しているので、 今となってはこの合作映画も貴重なものになってしまいました。 両国政府がともに力を入れ、協力し合った日中合作映画は 中国の現体制下では二度と制作されることはないかもしれません。 囲碁ファンならこれを見ておかないとモグリと言われます・・・ また、日中合作映画なのに なんと南京大虐殺に関するセリフも出て来ます。 存在しない・・・と。 今なら中国が拒否で、ありえないですね。 歴史ファンも見ておかないと・・・ ここから全編を見ることができます。 ⇒ http://tutaeru.net/web/141203a.html 2時間以上あるので時間のとれるときにどうぞ。 削除されないうちにご覧下さい。 |

囲碁 ブログランキングへ