トップページ >囲碁エッセイ> 第108号 フィギュアスケートに学ぶ囲碁

第108号 フィギュアスケートに学ぶ囲碁

フィギュアスケートの人気が高まっているようです。

金メダルをとった荒川静香さんはオリンピック後、競技生活を引退しまいましたが、その後も強い日本人選手がいるのでフィギュアスケートの人気はうなぎのぼりです。

私も冬場は特に女子フィギュアスケートの番組はほとんど見ています。
楽しみ方はいろいろあると思いますが、今ひとつの物足りなさを感じたので、それは何だろうと考えてみました。

採点型の競技の楽しみ方の一つに、得点を自分で予想して、実際の得点や順位と比べるということがあります。

それができていないことに気がつきました。
女子フィギュアスケートを見て、この選手のスケーティング、綺麗だなと思うんだけど、いつも得点が伸びずに上位に食い込めない選手がいます。

自分の採点と審査員の採点の違いは何か?
を考えたとき、
囲碁のことが頭に浮かびました。

そして、その違いがわかった気がしました。
・・・それはベタな言い方ですがやはり、『基本』なのです。

たとえば、フィギュアスケートのジャンプには種類がいくつもありますが、
どれを跳んでもポイントは同じというわけではないのです。
当然、難易度の高いジャンプに高い得点が与えられます。

ループとルッツはどちらが高ポイントなのかとか、
そんなこと知らずに女子フィギュアスケートを見ていたんですね。
4回転ジャンプってどれだけポイントもらえるんでしょうね。

また、コンビネーションジャンプにはどれだけポイントが加算されるのか、
とかも知らずに見ていました。
『評価の基準を知る』ということが『基本』なのです。


囲碁で言えば、
広さの判断基準を知ること。
石の強弱の判断基準を知ること。
ヨセの大きさの判断を知ること。
複数の定石の組み合わせの違いでどれだけ加算効果が異なるかを知ること。
などなど。

こうした判断基準の知識を一つ一つ積み上げることが
知識の体系化なのです。
ただ打っているだけの経験則から得る知識のかたまりとは
その威力が違います。

体系化された知識がなく、
経験則しか持たない人は1度成功した4回転ジャンプ(神の一手?)
にこだわります。

実際は4回転ジャンプなんか跳んで失敗するより、
3回転2回転の組み合わせで失敗しない方が結果がよかったりします。

起死回生の神の一手を追求するのもいいですが、
勝負に徹するときは基本手の積み重ねの方が
ポイントが高いということを
いったい、どれだけの人が知っているでしょうか。


18:28 | Page Top ▲