April 12, 2008
第111号 詰碁学習のツボ
詰碁の問題には2つの型があります。 実戦でよくできる形と 読みのトレーニングを目的とした実戦では難解で、めったにできない形、 どっちを勉強したらいいのか。 いろいろな意見があると思いますが、 役割が違います。だから一概には言えません。 実戦でよくできる形、これは勉強すれば明日からでも役に立ちます。 これは知識を蓄積する勉強法。 実戦ではほとんどできない形だけれど、解き方の発想が面白い形、 これは読みのトレーニング法。 プロ棋士は一般に後者の読みのトレーニングをすすめる人が多いようです。 読みの力をつければ応用が利きます、と。 でも、大人の初心者がこれだけをやると、まず100%脱落します。 大人の初心者には、実戦でよくできる形の徹底研究をオススメします。 そのほうが、上達の成果が早く表れて士気が向上するからです。 上達し始めてから少しずつ読みのトレーニングを加えていけばいいのです。 あえて、断言します。 1年後に上達する勉強を1年間続けることができる辛抱強い人はいません。 やはり、人間は目先のエサにつられて頑張るものです。 しかし、こどもは、頭がまだ柔軟なので早い時期から 読みのトレーニングもしたほうがいいといえます。 可能性のある柔らかい頭を暗記でコチコチにさせるのは もったいないのです。 それはもしかしたらあるかもしれないすごい才能を埋もれさせないための 保険の意味もあります。 大人の初心者も上達の状況に合わせて、 読みのトレーニングも必要になります。 人によって、棋力によって、 時期を重ねて、またはずらして、 実戦でよくできる形と読みのトレーニングの 両方が必要になります。 アドバイスする立場から言っても、 どちらがいいか悪いかではなく、 現在どのような状態かによって、 いつ、何を勉強すればいいかを 言わなければ、アドバイスにはならないのです。 |