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第118号 愚問には愚答しか返って来ない

囲碁でなくてもいいんですが、
分からないことを質問して、
期待する回答を得られなかったこと、ありませんか。

もちろん、回答者が稚拙である場合もあるでしょう。
でも多くの場合は
質問の仕方や表現が的を射ていないことが多いのです。

回答者は質問者の意図に応えようとすればするほど、
抽象的な質問には抽象的な回答になってしまうし、
大まかな質問には大まかな回答になってしまいます。
そして、間違った質問には回答のしようがないし、
無理に回答すると間違った回答になってしまうことさえあります。

質問が上手であることは上達の条件です。
私はこれを質問力と呼んでいます。

質問力には「理解力」と「整理力」の2つの要素があります。
その質問をしたいと思うそれぞれのレベルにおいて
理解が進んでいる場合ほど、的確な質問ができます。

的確な質問ができない理由の一つに「背伸び」があります。
入門者がいかに知りたいとはいえ、
サバキについて質問しても的確な回答はなかなか返ってこないでしょう。
回答者は的確な回答をしていても、質問者がそれを理解できるレベルに達して
いないと言ったほうがいいかもしれません。

もう一つ、「整理力」について言えば、
理解をできるレベルに達していても
思いついたまま質問してもダメなのです。
分からないから訊いてしまえ!
ではやはり的確な回答は得られません。
自分で調べ、検討すれば、頭の中で問題点が整理でき、
上手な質問ができるのです。

『周りにあまり石がないときに相手の石が星にある隅で三々に入って、
生きられるでしょうか?』
文字でこういう質問をされたことが実際にあるのですが、
私は回答できないと回答しました。
なんと不親切な!?
でも、回答しなかったのではなく、
回答できないと回答したんですよ。
やっぱり不親切か(笑)

それは、この人が何を聞きたいのか理解できなかったからですが、
質問した本人も何を聞きたかったのかわからなかった
はずです。
周りの配石の微妙な違いによって、結果がまったく変わってしまう
ことを理解できていない人に中途半端に答えれば、
その人は
違う配石の場合でも同じだと思ってしまうかもしれません。

実は三々入りは、基本定石なので調べれば本でもネットでも出ています。
調べもせずにただ、与えられることを望んでいる姿勢からは
良い回答は引き出せません。
自分の知りたいことを
いかに回答者の知恵袋から引っ張り出すか。
できるところまで自分で調べ、質問の趣旨を整理した上で、
質問する、
その努力が必要です。

その努力が見えれば、
親切に回答してもらえるでしょう。
質問して、
「なんだ、知りたいこと返って来なかった」
とガッカリする前に
あなたの質問力をチェックしてみましょう。


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