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第158号 敵を太らせよ

中年になるとちょっと腹が出てくるので
ライバルも太らせて、同じようにメタボにしてやろう!

・・・という話ではありません。

敵を太らせる、ということから
賢明なあなたは

「相手に無駄手を多く打たせて太らせ、
あとでごっそり、丸ごと取る。」

ことを連想したかもしれません。

実はそれを連想するように書きました。
でも、それを連想してもらいつつ、
ここではもっと広い意味の太らせ方について
知ってもらおうと思っているのです。

「敵に塩を送る」
ということわざをご存じだと思います。

戦国時代の話が語源です。

1567年武田信玄が今川氏との同盟を破棄し、
東海方面への進出を企てたときの話です。

同盟を破棄されて怒った今川氏は北条氏と協力して、武田領内へ塩
の流通のを止めてしまいました。

武田の領地は甲斐・信濃(現在の山梨・長野)で、
海に面していなかったため、
流通を絶たれると塩を取ることが出来ず領民は苦しんだわけです。


塩(Salt)は給料(サラリー Salary)の語源にもなっていて、
生きていくために必須の物質だったわけです。

このとき、宿敵上杉謙信が越後から信濃へ塩を送り、武田氏とその領民を助けたというエピソードがあります。


この話から、敵対関係にある相手でも、相手が苦しい立場にあるときには助けてあげることを「敵に塩を送る」というようになりました。


あなたに碁敵(ごがたき)がいたら、
負けたくないという気持ちが強いかと思いますが、

その一方で、その碁敵がスランプに陥り、
手ごたえのない相手になってしまったら、

やったー、と
喜びますか?

逆にさびしくなってしまうのではないでしょうか。

そんな時は
自分の持っている上達情報やら
役に立つ棋書やら
を教えて
再び強い碁敵になってほしいと思いませんか。

まさに「敵に塩を送る」ですね。


勝てばいいという
勝利の刹那の快感だけを求める人は
強くはなれません。

碁敵が強ければ強いほど
自分も強くなれるという発想こそ
上達の発想です。

これをさらに一歩進めれば、
碁敵をどんどん、強くさせ
つまり、太らせ、

対局を通して自分もその恩恵にあずかる
という発想はいかがでしょうか。


もし、あなたがそうする前に
碁敵があなたに
棋書や、対局ソフトや・・・
いろいろ貸してくれるようになったら

敵もそれを狙っているのかもしれません。

ご用心(笑)


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