トップページ >囲碁エッセイ> 第16号 投了のタイミング

第16号 投了のタイミング

囲碁の勝敗の決まり方には次の2つがあります。

(1)作り碁
(2)中押し(ちゅうおし)

作り碁というのは最後まで打って、地を数え、「どちらが何目勝ちか」まで判定する碁をいいます。
「黒の3目半勝ち」のような判定になります。

中押しというのは、最後まで打たないうちに形勢の差が大きくなって、もはや挽回できない、と思った方が負けを宣言することによって勝敗が決まる碁のことです。
負けを宣言することを『投了する』といいます。
「黒の中押し勝ち」のような判定になります。


問題なのはどの程度の差がついたら投了すべきか、ということです。
みな、棋力の段階によってほとんど次のような経過をたどります。

入門・初級者(15級以下)は打つのに夢中で途中の形勢など気がつかないケースがほとんどだと思います。
30目、40目差があってもどちらもそれに気がつかないで最後まで打ってしまったという経験は誰にでもあります。

お互いに気がつかない、苦痛でないのならそれでもいいでしょう。
また30目、40目差が簡単にひっくりかえってしまうのがこのレベルでもあるので40目程度の差があっても投了する必要がないかもしれません。

ちょっと棋力が上がる(10~8級くらい)と、相手の投了のタイミングが気になります。
まずは自分が大量リードしている場合にだいたい分かるようになり、気がつかない相手に
「早く投了してほしい」
と思うようになります。
そのくせ、自分が大量リードされているときは夢中で気がつきません。


中級になると、自分が投了する時期の判断が気になります。
慣れないうちはわずかな石を取られただけで、たいして差がついていないのに投了してしまう「早期投了病」にかかってしまう人もいます。
このレベルでは、通常は中盤での40目差は気がついて投了しなければならないでしょう。

上級(3級~)ならヨセ直前で20目差が投了するかどうかの分岐点です。
しかし、ヨセに自信があるなら投了の必要はありません。

投了する場合もだらだら負けるのはいけません。
一手前で投了しても、二手前で投了しても同じだったという投了の仕方では情けない。勝負のメリハリをつけたいのです。
たとえ30目差があっても、わずかでも逆転の可能性があれば投了する前に勝負手を打ちましょう。

それを守られて勝利の可能性がなくなった時点で投了するのが、同じ負けるにしても双方納得のいく
「ちょっとかっこいい」負け方です。

このようなタイミングの投了を「投げ場を得る」といいます。
これに対してメリハリなくズルズルと負けてしまうことを「投げ場を失う」といいます。

プロの碁を見ていると負けても必ず「投げ場」を模索しているのがわかります。ちょっと見習いたいと思っても、形勢判断の力がないとできない打ち方です。

01:36 | Trackbacks (0) | Page Top ▲