トップページ >囲碁エッセイ> 第169号 10連敗なんですけど

第169号 10連敗なんですけど

「勝てません。」

「10連敗なんですけど。」


よく、そう言ってくる人がいます。
そのあと、
「絶対勝てる方法ないですか」
と聞いてくれば
私はその質問の100倍の勢いで
回答します。

「そんな方法はありません!」と。

いやいや、100倍の勢いではなくて、
質問の100倍の文字数で
回答します。

しかし、
不思議と、
「10連敗なんですけど。」
と言う人は、そこで止まって、その先を言いません。

しかし、
私には
「10連敗なんですけど、
囲碁やめてもいいですか。」
って聞こえてしまうんです。

「やりたくなければやめれば・・・」
と言いたくなってしまいます。
意外と冷たい人間だったりして。。。

でも、
「いや、いつか勝てるから続けたほうがいいよ」

そう言ったら、
100人中100人が囲碁をやめてしまいます。

冷たさは暖かさの裏返しです。
「やめたきゃ、やめれば。」
そう言われると、
人間って
「このくらいでやめてたまるか」
って思うものです。

そのくらいの気骨精神がなければ、
そもそも生きていけません。

私が日本棋院の「級位者の日」に通っていたころですが、
2級のときに対戦した相手に、
マジ、10連敗の人がいました。

2級同士なので・・・
もちろん相手も2級。
じゃあ、相手は10連敗の直前は?


相手の対局カードを見たら・・・

そう、初段でした。


昇級、昇段がかかった対局で10連敗するということは
段級位が2ランク下がるということを意味します。

本人にしてみればこれは相当ショックなはず。
でも、その人はめげていませんでしたね。

むしろ、ビビったのはこっち。
今は調子を落としてこっちと同じ2級でも、相手は私の憧れの「初段」を
一度は張ったひと。

勝てるわけないよー。

10連敗で2ランクも落ちて相手と対局した場合、
本人は落胆しているのですが、
実は相手のほうがビビっているという事実。

落ちているときは余裕がないので
誰にでも負けてしまうような気がして、そんなこと気がつきません。

ちょっと、姑息ですが
心理作戦としては有効かも。↓


「いやー、10連敗で2ランク落ちゃいました」


ダメです!
ウソは。



21:02 | Page Top ▲