March 05, 2011
第180号 書かれていないことに気がつけば有段者
書き手というのは、案外、書きやすいことだけを書いていきます。 都合のいいことだけを書いていきます。 理路整然としたことだけを書いていきます。 そのほうが短時間でスラスラと書けるし、 読み手に、なるほどって思ってもらえます。 賢いなと思ってもらえます。??? でも、読み手が本当に知りたいところというのは こことここ、矛盾しているんじゃないかなとか、 こことそこ、どういう関係になっているのかなとか、 Aがそうなら Bはどうなの? とか、そういう泥臭いところなのです。 書き手は矛盾しているところを 説明しようとすればわけのわからない文章になるし、 関係を説明すると、複雑になってしまうし、 Aがそうなら Bはどうなの? ってことを書くより、 Aは○○だ! って一方だけを言いきったほうが自信ありげで えらそうに見えるので、 できれば突っ込んだところは書きたくないのです。 棋書も同じ。 あえて、突っ込んだ説明をしていない本はごまんとあります。 Aと打てば、こうこうこうなって有利になります。 と説明されて、 あなたはなるほどと納得していませんか。 じゃ、Bと打ったらどうなるの? って突っ込んでください。 Bと打ってもやはり有利でAと差がないことなんて茶飯です。 たしかにAと打てば、有利になります。 でも、その説明だと、 読み手はBはいけないのかと思ってしまいます。 あるいは、Bでもいいんじゃないかな、 と頭の中がパニック状態になってしまいます。 上達できる人と上達できない人の違いは Aと打てば、こうこうこうなって有利になります。 と説明されて納得してしまう人と Bはどうなの?ってツッコミ(=疑問、質問)を入れられる人 の違いだとも言えます。 あなたはどっちのタイプでしょうか。 書かれていないBに気がつくことって、 実は凄いことなんです。 |
comments
確かに。
僕はBとまでは思うのですが、
その後がありません。
聞く人がいないのです。
ネットで打つ程度ですから。
やっぱり、先生がいないと難しいですね。
Bに気がつくのなら立派です。
アマチュアは誰でも先生を持つことができるわけではありません。
Bはメモしてください。数ヵ月後の自分が先生になってくれます。
また将来、質問できる機会ができるかもしれません。
はじめまして。
囲碁の勉強を始めたのは最近ですけど、その前に熱中していたことがあって、その時のセオリーがここで書かれていることと同じなので、
「あぁ、何事も、本気でやるというのは、同じ道をたどるのだな」
と思っている次第です。
いつも楽しく読ませて頂いています。
今回のお話は、最近よく話題になる「メディアリテラシー」と同じですよね。
「わかりやすい」「賛同を得やすい」
「理解しやすい」話だけして終わるメディアに対して、
こちらは「じゃぁ、〇〇ならどうなるワケ?」とツッこめるかどうか。
「書かれていないB」に気づける人でありたいですね。
MOCHA さん、こんにちは。
おっしゃるとおり私も囲碁について書いていて、自分でもこれは他のことにも当てはまると気がつくことが多々あります。
囲碁、続けてみてください。