トップページ >囲碁エッセイ> 第183号 へたの考え休むに似たり

第183号 へたの考え休むに似たり

教育の現場では
暗記教育の弊害を是正するための方策として
生徒が自分で考える力を身につけさせる教育が見直されています。

安易に結論だけを求める生徒にたいして
「自分で考えなさい」
といさめるのは決して悪いことではないのですが、
はたして、それでよいのでしょうか。

囲碁でも
「考える」ことを習慣づける教えは大人を主とした場合は
特に大切です。

暗記で得た知識は応用が利かない。
それも事実です。
ただ、基礎のない人に
「自分で考えなさい」
と指導することは間違いです。

基礎のない人が自分で考えるということは
何を意味するでしょうか。

そう、「自己流」です。

最悪の場合は
間違った方向にどんどん進んでしまい、
悪癖が直らなくなります。


つまり、
「自分で考えなさい」
は基礎のある人に対する指導法なのです。


にわか教師は誰彼かまわず、
「自分で考えなさい」
を連発してしまうから困ります。

また、対象を限定せずに一般論で
「自分で考えなさい」と言ってしまうのも
入門・初心者を自分もそうかと誤解させてしまいます。


「自分で考えなさい」は
基礎知識のある中級者以上に言う言葉です。


まずは、「自分で考えなさい」ではなく、
まずは、「定石を並べて覚え、対局で打ってみなさい」
次に、「一手一手の手順の意味を自分で考えてみなさい」
というのが正解なのです。


1.定石を並べて覚え、

2.実際に対局で打ってみて

3.うまくいかなかったところを自分で考え

4.わからないところを先生に聞く



これが学習の順序。
囲碁学習の王道です。
囲碁上達の常道でもあります。

考えっぱなしではなく、
最後は考えたことが正しいかどうかを確認することも
重要です。

基礎もできていない人が
いくら考えても
「へたの考え休むに似たり」です。

「まずは自分で考えよ」ではなく、
「まずは基本を学べ」

なのです。


13:43 | Page Top ▲