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第184号 余白の効果

あなたは新聞の見開き2ページの全面にたった1行の広告

を見たことありませんか?
そして、
「なんて、もったいない」
と思ったことありませんか?

もったいない、と思った時点で
あなたは囲碁のセンスはゼロです。

紙面がもったいないと思ったにせよ、
広告費がもったいないと思ったにせよ、
それは同じことです。


広告の効果という点では
これは絶大なのです。
新聞の読者100人中100人が必ず目を留めます。

そして、こんな非効率な広告を出す会社はどこかと
紙面を探します。
通常、右下隅に小さく会社名が書いてあります。

強引に見せるのではなく、
読者に自ら探させるのです。
多くの読者がこの会社の名を記憶に留めます。
おそらくこの広告費は1億を下りません。


広告費500万円の小さなスペースに
ここぞとばかり、小さな字で広告を紙面いっぱいに詰め込む
のが凡人の運営する会社です。

誰もこの広告は見ません。
500万円ドブに捨てたようなものです。


この500万円の広告を20回打つより、
前述の1億円の広告を1回打った方がはるかに
いいでしょう。


ここで言いたいのは「余白の効果」です。

一定の紙面において、余白がほどほどに多いほど文字が読まれる確率
が高くなります。

あなたは無意識に読んでくださっているかも知れませんが、
このメルマガも意識して
1行、2行、3行、4行・・・の空行をアットランダムに入れて、
文字が集中して視覚的に読みにくい場所を減らしています。
1行もあけずにびっしり書いたら誰も読んでくれないでしょう。


さて、いよいよですが、
この新聞広告の紙面を碁盤に置き換えてみましょう。

まず、碁盤をキャンパスとみなして全体を見ます。
広々としたところに
1つ石を置く。

離れたところにもう一つ打つ。
・・・美しいでしょう。


1ヶ所に3つ4つ5つ・・・と同じ場所にかためて置いた石は
碁盤全体を見るとバランス悪く偏って見えるでしょう。

これが布石の感覚です。


この布石感覚がないうちは
棋力は頭打ちになります。

そして、この感覚からいえば
初手、天元・・・は
ものすごく、美しい手です。

ただ、隅が地を作りやすいという棋理に反するため
残念ながら「初手、天元」は定石としては確立していません。
難しいところですね。

もし、
初手、天元を
山下敬吾九段の真似ではなく、
自らの感性で打てたのなら
たとえ負けても素晴らしい囲碁センスと言えるでしょう。


余白をどのように扱っていくか。

あなたの感性が余白をどうとらえるか、は
先々の上達の程度を推定させるに十分な示唆となるはずです。

布石だけでなく、余白は1局の全局面を通して常に重要です。
打つところがなくなった終局の場面でさえ、余白は重要です。


そう、
究極の「余白」は囲碁の目的である「地」そのものなのですから・・・


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