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第229号 囲碁は人にやさしいゲーム

私の高校生の時の日記の一部に
「時間には加速度がある」
というくだりがあります。

十代の時にすでに
人生はそう長くはないと感じていたようです。

退屈な時は
人生は永遠に続くのではないかと思えます。
多くの人は時間がたくさんあるように錯覚しています。
でも、実際はほんの一瞬で人間の一生など終わってしまうのです。


ジャネーの法則というのがあります。
「時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」
というものです。

年をとればとるほど、
時間は短くなるということですが、
物理的にそんなことがあるわけありませんが、
その論理はまさに相対性理論。


50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、
5歳の人間にとっては1年の長さは人生の5分の1に相当する。

だから同じ1年でも
年を取っている人ほど時間が短く感じる。


このように言われれば納得してしまう人も多いのではないでしょうか。


冒頭の私の
「時間には加速度がある」
も名言でしょ。
意味は同じです。


そんなに短い人生なら
有意義に生きなければと思います。
それには
後悔しないこと。

この後悔しない
ということには2つの意味があります。

後悔するようなことをしないということと、
後悔するようなことをしても後悔しないということ。


とりわけ後者は重要です。
だって、
前者の「後悔するようなことをしない」
って、不可能ですから。

ま、思いきって生きたいように生きると言うことですか。。。


これは囲碁もまったく同じです。

間違った手を打たないようにするのが一番いい。
そのために定石やら詰碁やら勉強しているわけです。

でも、1つも間違わないなんてことは不可能です。
ならば、
間違った手を後悔しないことです。
後悔することによって勝つことはありません。

間違ったことを当然のこととして
そこから始まると考えて最善を尽くせばいいのです。


勝敗はあっという間に着きます。
まるで人生のように。


そんな短い勝負なら
好きなように打ったらいい。
定石、定石でがんじがらめに打って負けるなら
好きなように打って負けたほうがいい。


負けても後悔しなければいいのだから。

人生と囲碁、
たったひとつ違うところ。

それは
人生は1度だけだが、
囲碁は何局も打てること。

私の愛する囲碁が
こんなにも包容力がある、人にやさしいゲームであって、
ほんとによかった。


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