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第233号 人間の絆と囲碁の絆

あなたは今まで学生時代の友人や職場の同僚など
さまざまな人に出会ってきたと思います。
その中で現在まで交友が続いている人と
交友が途絶えてしまった人の差はなんだと思いますか。

私が自分自身の過去の交友を顧みたら、
はっきりとした傾向が見られました。
この話は恋愛ではなく
男女共通です。

基本的には

(1)自分から交友を断った人

(2)自分は交友を続けたいにもかかわらず相手から交友を断ってきた人

の2つのケースがあります。



自分から交友を断った人、
その理由は何かというと
その人が自分勝手で常に100%自分の利を取ろうとしている人
だったということです。

きれいごとを言ったところで
人間は誰でも自分が一番かわいいのです。
だからそれを非難するのは的外れです。

でも、自分が10の利を取ったら
相手に1でも2でもその利を分けようという
気持ちがお互いにあって初めて交友が成り立ちます。

分ける量が10のうち1か2か3か・・・
は程度問題です。

全部分けたらキリスト級。

5を分けたらお人よし。

3だけ分けたらかなりいい人。

1でも、交友していけるでしよう。

親の子に与える気持ちは10のうち6とか7とか
半分を超えてしまうかもしれません。
子供の命があぶないときには自分の命を差し出してもいいと思う
親もいるでしょう。

その気持ちは10のうち10以上分けてしまいたいという
ことになるのかもしれません。
親はキリスト以上です。


逆に
相手から交友を断たれた場合は、
自分が相手に分け与えていなかったということでしょう。

人間の絆は分け与えることから生まれます。

自分の都合を9優先したとしても
最低でも1は相手の都合も考える。
それが人間同士の絆です。



半目勝てば勝てる囲碁で
50目リードしたい
100目リードしたいと思うのは

人間関係でいえば
利の100%を独り占めしようとする考えであって、
交友を断ちたいとみんなから思われる
行為だといえるかもしれません。

相手の陣地にねじり込んで、
相手の間違いを誘って、
強引に地を奪う方法でも

ルール違反ではありませんが、
アマ同士では碁友を失うかもしれません。

ある意味、
このような打ち方でしか勝てないとすれば
見た目の派手さとは異なり、棋力は僅差といえます。

10目与えて11目取る打ち方は
お人よしの一歩手前ですが、
品格のあるやわらかい勝ち方です。

柔らかいけど折れそうなまでにしなっても
柳のように決して折れない余裕のある打ち方です。
本当は強引な手よりこの方が強いのですが

負けた方も嫌な気はしません。
見習いたいと
またあなたとの対局を望んでくるでしょう。


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