June 13, 2013
第243号 布石~二択と四択の解き方の違い~保存版
布石を感性だけでとらえると、 安定的に正しい打ち方をマスターすることはできません。 一見、あいまいに見える布石も 実は論理的に分析することができます。 まず、 布石の問題を次の2つのタイプに分けてみます。 1 次の一手をA~Dから1つだけ選んでください。 2 次の一手をA、Bをから1つだけ選んでください。 おそらく、この2つの 本質的な違いを意識している人はいないのではないでしょうか。 選択肢を4つ考えるのが面倒だから2つにしたんじゃないの? 私も最初はそう思っていました。(笑) まず、意識してほしいのは 選択肢があるだけで相当なヒントになるということです。 対局では打つたびに碁盤上にABC・・・と 選択肢が表示されるわけではないので 実戦対局って、ものすごく難しいということですよね。 ------------------------- 1、二択問題の考え方 ------------------------- 二択の問題は俗な言い方をすれば 一か八か、どっちか という大上段に構えた問題です。 決断を要求されているわけです。 基本的には広さ(大きさ)を問うわけですが、 内容別にはさらに次の3つのタイプがあります。 (1)大場と急場の選択 (2)大場と大場の選択 (3)急場と急場の選択 (1)と(2)は市販の棋書では頻出パターンです。 (1)大場と急場の選択問題の考え方 大場と急場では急場が優先するのが基本で、 選択肢のどちらか1つが急場であることを認識できれば もう正解が出たようなものです。 (2)大場と大場の選択問題の考え方 大場同士の比較では、さらに分析が必要です。 大場には模様の大場と地の大場があります。 (a )地と地の比較が一番やさいい。 (b )大場と大場の比較が次にやさしい。 (c )地と大場の比較はむずかしい。 ということになります。 地と地の比較は広さの目数をやヒラキの幅を 数えればいいだけです。 (3)急場と急場の選択 急場と急場の選択は高段者向けで、 市販棋書にはめったにありませんが、 実際の対局ではこれが重要です。 -------------------------- 2.四択の問題の考え方 -------------------------- 四択の問題は一か八かではなく、 詳細な分析が必要になります。 第1段階で 4つの選択肢を大場か急場に分けます。 すると、次の5つのケースに分かれます。 (1)大場が3つ、急場が1つ (2)大場が1つ、急場が3つ (3)大場が2つ、急場が2つ (4)大場が4つ (5)急場が4つ 実戦ではどれもありますが、 勉強をさせるための問題では (2)と(3)、(5)は難しすぎるのでほとんどありません。 (1)と(4)がほとんどです。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ここまで分析すると二択問題と同じ解き方になります。 (1)大場が3つ、急場が1つの場合 この場合は急場を選びます。 3つの大場同士を比べてどれだ? と悩むのはナンセンスかもしれません。 ただし、クソ手を急場のように見せかけて、誤答を誘発している 場合もあるので注意しましょう。これだと難問です。 この場合は残り3つの大場を比較して決めます。 (4)大場が4つの場合 地の大場か模様の大場かを分けて、 二択問題に収束します。 ----------------------- 3 まとめ ----------------------- このように分析していくと 出題者の意図が読めてきます。 棋力判定問題などは 打ち方そのものの難易度のほか、 このような選択肢の設定の仕方によって問題の難易度を 調整して作成されています。 出題者の意図が読めるようになれば、 対局相手の意図を読むのも可能です。 実戦でも一手一手を このように分析していくと 雰囲気ではなく、 棋理として正しい手を導き出すことができるようになります。 安定した棋力は、 勘で正解手を当てるのではなく、 論理で導く正解手をどれだけ多く打てるか という確率で育成されるものです。 もちろん、 囲碁には心理戦もあります。 惑わされない強い意思と 相手の気持ちを読み取る 繊細な感情も必要です。 |