トップページ >囲碁エッセイ> 第268号 厚みとは不思議なもの

第268号 厚みとは不思議なもの

囲碁の初級者にとって分かりにくい理論に
「厚み」があります。

そもそも表現が文学的?なので
ストレートに理解できません。

厚みって、碁石の厚みのこと?
そりゃ、高級な碁石は厚みがあるし、持ちやすいし、
打ちやすいよね・・・

ということじゃなくて・・・



厚みとは、
まだ地にはなっていないけれど、
強い石の集団とか模様のことです。


普通の人は
持って生まれた感性では
厚みが出来れば
囲って地にしたいと思います。

厚みは攻めに使えと言われても、

相手の石を攻めて
自分の模様の中に追い込んだりしたら
せっかくできた模様が地にならずに
台無しになるじゃないか。

だから、

なぬ?!
厚みは囲わずに攻めに使う?
なに寝ボケたこと言ってんだ!

ってなことになるわけです。


それはごくごく、普通の感性です。
なぜ、厚みは囲って地にしてはいけないか?

囲うと反対側にもっと大きい相手の厚みが
できてしまいます。

やはり、正しいのは
厚みを攻めに使うこと。

厚みを攻めに使うとその厚みは地にならないけれど
厚みの反対側に相手の石を攻めた自分の石が残るはず。

その攻めに使った石が厚みの反対側に
また模様を作っていき、その模様が
今度こそ地になっていく。

それはもともと
我々の遺伝子に組み込まれた理論ではなく
学ばなければ
出てこない理論です。
棋理です。


学べば、
なるほど、厚みは攻めに使うのか・・・
と理解できるでしょう。


でも、
理解できたら、そのように打てるようになるかというと
それはまた、別問題であるのが
囲碁の難しさというか、
人間心理の難しいところ。


理屈がわかったあとでさえ、
厚みを囲いたいという欲求は相当強いはずです。


理屈では分かっていても
厚みができると、ついつい囲ってしまう。
それはあなただけではありません。


自分の感覚とか直感とかに逆らった行動
というのはつらくて
なかなか出来ないものなのです。


それは心理的痛みさえ伴うものです。
だからこそ、

その心の痛みを克服して
棋理どおりに打てる人だけが
強くなることができるのです。





囲碁 ブログランキングへ

12:54 | Page Top ▲