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第280号 一方地に勝ちなし

いきなりですが、この棋譜図を見てください。


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コミ6目半の互先で、
アゲハマの数はどちらも4で同じです。
どちらが何目、勝っているでしょうか?

見た目の印象でいいので回答してみてください。






















この棋譜は白が22目半で大勝しています。
今、あなたに形成判断の練習をしてもらったのですが・・・
実は形成判断の方法がポイントではありません。

棋譜図をよく見ると、
盤面上、黒が6箇所に地を持ち、
白の地が1箇所しかありません。

あなたはそこに気がついたでしょうか。
それとも、どちらが勝っているのか
地を数えるのに夢中になっていたかもしれません。

黒が6箇所に地を分散しているのも珍しいですが、
白の地が1箇所というのはもっと珍しい対局です。

ここで考えて欲しいのは、
地を作るための石の効率ということです。

これについての基礎的な話は以前ここに書いています。
第185号の囲碁エッセイ「勝ちやすい地の数」

http://igodaisuki.net/cat1/185.html

ここで、地の数が6箇所もあるとまず勝てない
ということを書きました。
地が分散すれば石の効率が悪くなるからという理由です。

ただ生きればいいと死活のみにこだわると
このような細(こま)切れの地をたくさん作ってしまい、
石を取られていないのにいつも負ける・・・
という状態になりがちです。

地の数は少ないほうが石の効率はいいという理屈です。


では、1箇所という地の数はどうでしょうか。

「一方地に勝ちなし」
という囲碁格言があります。

一方地というのは、必ずしも1局の中で
地が1箇所という意味ばかりでなく、
1箇所に大きな地を囲い、相手の複数の箇所の地と競う
ことをいいます。

効率が良いといえども、行き過ぎればバランスを崩します。
つまり、この囲碁格言は、

大きな一方地を作ろうとすると、前後左右から消しを打たれて、
思ったほど大きな地にはならない

という戒めです。


つまり、
黒の地が6箇所、
白の地が1箇所
というのは
両極端でどちらもよくない碁なのですが、
それが1局の中に双方で現れたらどうなるのか
の実例の一つとして見てもらったわけです。


そして、
たまたま一方地である白の方が勝ったという
棋譜図だったわけです。

悪い手を打ったからといって、
必ず負けるわけではありません。

悪い手を打っても
相手がもっと悪い手を打てば
勝てるのが勝負というものです。

この棋譜の白は黒の悪手に乗じて一方地を広げることが
できたと言えるかもしれません。
それはそれで間違いとは言えないかもしれないのですが、
柳の下にどじょうは何匹もいません。
相手が代わるとそうはうまくいかないでしょう。


対局が終わったとき、
何目差だったかと
目数ばかりに気を取られずに、

勝っても負けても
双方の地の数を確認して
自分の碁のバランスがとれていたかを検討するようにすれば、
もっと棋力アップを図ることができるのではないでしょうか。



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