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第285号 四隅取って碁を打つな

えっ、逆じゃないの?

「四隅取られて碁を打つな」
という囲碁格言はご存知だと思います。

「隅は地を作りやすい。」
だれでも最初はそう習ったはずです。
もちろん、その教えにウソはありません。

相手の石を取ったり、自分の地を作るときには
盤端が自分の石と同じ働きをするからです。
ウソどころか
これほど明確な棋理はありません。

「四隅取られて碁を打つな」
というのは
四隅を取られてしまうようでは
基本も出来ていないという意味の格言です。


だから初手は空き隅に打ちます。
小目や三々は隅に地を作ろうという意図です。
星は相手の出方によって
地を作ることも模様を貼ることも両方あります。

隅の地を2ヶ所ずつ取り合えばまず、互角の進行になります。
隅の地を3ヶ所取れば、かなり優勢で、
勝てないほうがおかしいという状況になります。

ならば、四隅を取れば圧勝です。
・・・


ということにはならないのが
囲碁の不思議なところです。


四隅に地を作って、
圧倒的に優勢だと思って打っていたら
逆に圧倒的な差をつけられて負けていた
という経験をお持ちの方はいらっしゃるでしょうか?


そういう人をバカにしようというのではありません。
実はそういう経験はとても大切です。
理屈だけの知識と経験を伴った知識では
重みが違うのです。

今、上級者や有段者であっても、初・中級者のころに
四隅を取って負けた経験のない人は、たとえ強くても
隅と中央の広さのバランス感覚が経験上、
本当にはわかっていない
可能性があるからです。


四隅を取るということは
四隅に自分の石が集中し、
中央に自分の石が少ないということです。

気がついたら
中央が相手の石の色に染まっていた
ということになります。

いや、
だって中央より隅の地の方が効率的に地を作れるから
中央より隅の地の方が大きいはずだし、
それでいいんじゃない?

ところが四隅を取ると、
相手の中央の地の方が大きくなるから不思議です。

なぜかというと
中央に数学上の広さの計算理論の他に
囲碁特有の厚みの力が働くからです。

中央の厚みの中に侵入して生きてしまえば、
あっさり逆転できると思っても
四方八方、行く手に相手の石が待ち構え、
容易には生きられないのです。

要するにバランスなのです。
隅だけにこだわれば
石の効率が損なわれます。

だから
「四隅取られて碁を打つな」
という囲碁格言をご存知なら
「四隅取って碁を打つな」
という「いごっち格言」も同時に知っておいて
ほしいなと思います。


いやいや
いつも四隅を取って圧勝しているよ
という人は根本を間違えているので要注意です。

四隅を取って圧勝したら、
四隅を取ったことが強さの証明ではなくて、
それは手合い違いです。
相手に石を置いてもらったほうがいいということになります。

弱い者いじめをしないように
気をつけましょうね。


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