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第30号 なぜか囲碁には書が似合う

私が書道の師範資格を取ったのはもう10年以上前のこと。
その直後、たまたま知り合いにさそわれて囲碁を始めました。

必然性があるのでしょうか、プロ棋士には書をたしなむ人が多いようです。
たしかに両者とも右脳を使う点で共通するところがあります。

囲碁大会などに出ると参加賞や賞品などで棋士揮毫扇子をもらったりすることがあります。揮毫扇子というのは棋士が自分の好きな言葉などを毛筆で書いた扇子のことです。

このようにプロ棋士になると揮毫扇子を作ったり、サインを頼まれたりすることが多いので、毛筆を練習したり習ったりする棋士もいると聞きます。

山下敬吾九段、羽根直樹九段などは若いのにきれいな字を書きます。
努力し、練習した字であることがわかります。
囲碁ファンとしては好きな棋士の揮毫扇子の一つくらい持っていたいと思うのですが、その好きな棋士の字が『ミミズの這ったような字』ではガッカリします。

最近はパソコン、ワープロが普及して自筆を人に見せる機会は激減していますが、冠婚葬祭の受付でワープロで名前を書くわけにもいかず、意外なところで字のへたなのがばれてしまいます。

プロ棋士に限らず、字は書けたほうがいい。
字は習えば(練習すれば)どんな悪字やくせ字でも直ります。
悪字やくせ字のままでいるということは、そのこと自体が悪いだけでなく、努力をしない人=仕事をしない人だと判断されて損です。

努力をしなくても天性で字のうまい人もいて不公平、という意見もよく聞きます。でも天性でうまい字は、見ればわかります。
努力をしていない字はうまくても基礎が抜けているのがすぐわかります。おまけに『うまいだろう』というイヤミがあります。

字のイヤミというのは、本来の正しい字の形を無視して格好をつけたハネやノビです。
囲碁とよく似ています。

正しい石の形を無視して格好をつけたハネやノビ?
ちょっと手筋っぽく見えるのですが、
見る人が見れば基礎がないのがすぐわかります。
ハネやノビは正しく使い分けましょう。

字は努力や人格、性格が出ます。
書のプロになるわけではないので字がうまい必要はありません。
うまくなくても『いい字』が書ければいいのです。

字を習えばもちろん、特に字を習わなくても、人生を努力している人は字に『人格』や『人生』が自然と表れます。それが『いい字』です。
囲碁で言うなら『特に好手が打てなくても基本手の積み重ねがある』状態でしょうか。

・・・
私の好きなY九段は残念ながら『ミミズの・・・字』
どんなに棋風が好きでも揮毫扇子は買いません。
囲碁は申し分なくトッププロ。この人が書を習えば、間違いなく神の一手が打てるのではないかと思うのですが・・・


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