トップページ >囲碁エッセイ> 第315号 ケチとヨセ

第315号 ケチとヨセ

あなたは寄席を聞きに行ったことがあるでしょうか。
もし、行ったことがなくても
テレビなどで一度は聞いたことがあるかも知れません。

何気なく聞いているかもしれない寄席ですが、
実は話の内容は相当吟味されています。

というのは、
寄席にはいろいろな人が聴きに来るので、
噺(こばなし)の内容によっては
お客が怒ってしまうこともあるからです。

でも、これなら絶対怒るお客はいないという
話のネタが2つあります。
何だと思いますか?

泥棒

ケチん坊
です。

たしかに小噺に多いテーマです。
泥棒の悪口をいくら言っても
文句を言う泥棒はいません。
自分が泥棒であることがバレてしまいますから。

ケチん坊はお金を出してまで寄席を聞きに行かないから
寄席でケチん坊の悪口を言っても大丈夫です。

以前、テレビのクイズ番組で
「六日知らず」
という言葉の意味が出題されていたことがありました。

ケチん坊の小噺で有名なのが
三遊亭圓生の「吝嗇屋」という話の中に出てくる「六日知らず」です。
(注) 吝=(けち)

「六日知らず」というのはいわゆるケチのことなのです。
なぜ「六日知らず」がケチのことなのかと言うと・・・


日付を勘定するときに、「一日、二日」と指を折っていきます。
五日まで数えると、
手を握りしめた状態、つまり、
じゃんけんのグ―の状態になります。

ところが、六日目を勘定しようとすると、
一度にぎった手をヒラかなければなりません。

一度握ったものは離したくないというので
六日目を数えなかった人がいたことから
ケチのことを
「六日知らず」と言うのだそうです。

♪結んで・・・開いて・・・
という童謡は子供をケチな人間にしないための
教育なのでしょうか・・・

話が遠まわしになりましたが、
にぎりとかヒラキとか
そういう囲碁用語を見ると
囲碁もケチと関係があるかと思ったりします。


そもそも囲碁って
ヨセのような、
ずいぶんと細かい・・・
ケチな技術を使うゲームのように
思えないでしょうか?

でも、同じ囲碁でも
布石は広大な構想力を必要とします。
大きなことも小さなこともできないと
囲碁って強くなれないのです。

だから面白いのであり、
また強くなるのが大変でもあるのです。

序盤は布石で細かなことにとらわれずに広大なイメージを・・・
終盤はヨセで1目、2目をしっかり稼ぐ。
つまり、
大胆にして細心!

失敗を恐れて確実な小さいヨセばかり打つのは
細心ではなく、小心です。
これをケチと言われても仕方がないでしょうが、
細心をケチと侮辱する人はいないでしょう。



囲碁 ブログランキングへ

01:53 | Page Top ▲