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第33号 張栩名人の布石

昨年、名人4連覇中の依田名人を破って名人位を獲得した張栩九段。
囲碁の世界に新風を吹き込んでいます。
その目覚しい活躍の裏には数々の独自思考と工夫があります。
トッププロになるためには人のマネをしていたのではいけないということなのでしょう。
でも、われわれアマはそうしたプロの研究をマネして上達するのが賢い方法です。

というわけで今回は張栩名人の特徴的な布石を紹介します。

『一に空隅、二にシマリ・カカリ。。。』
というのが布石の大原則。
もちろん、この原則どおりでいいのですが、1図が張栩名人の工夫です。
黒の三手目は原則どおりならAやBの空隅に打つところです。
もちろんAやBは小目などでもいいわけです。

2ヶ所の隅を残して
三手目でCとカカリを優先するのが張栩流。
これには理由があります。

AやBは先に打たなくても、通常は見合いでどちらかには打てるのです。
そこで重要な小目へのカカリを先に打つわけです。
広い意味では『一に空隅、二にシマリ・カカリ。。。』の原則を破っていないのです。

通常どおり、4隅を2ヶ所ずつ打ち合ったあと、万一先手を取られ、先に白にCにシマリを打たれるようなことがあったら大変・・・
と考えるとこの打ち方はなるほど。。。
という気がします。

1図
**ABCDEFGHJKLMNOPQRST**
19┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐19
18├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤18
17├┼┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤17
16├┼┼・┼┼┼┼┼・┼┼┼┼┼・●┼┤16
15├┼┼C┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤15
14├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤14
13├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤13
12├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤12
11├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤11
10├┼┼・┼┼┼┼┼・┼┼┼┼┼・┼┼┤10
09├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤09
08├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤08
07├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤07
06├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤06
05├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤05
04├┼┼B┼┼┼┼┼・┼┼┼┼┼A┼┼┤04
03├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤03
02├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤02
01└┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘01
**ABCDEFGHJKLMNOPQRST**


さっそくマネをしてみるのはいいのですが、
こういう話をすると、2図のように星に対してもAやBにカカリ
を打ってしまう初心者が必ず出てきます。
これはダメです。

あと一手で11目の地が確定してしまう小目だからこそ先にカカリを優先したのです。
模倣は堅固な基礎の上にしか成り立ちません。

2図
**ABCDEFGHJKLMNOPQRST**
19┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐19
18├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤18
17├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤17
16├┼┼○┼┼┼┼┼・┼┼┼┼┼・●┼┤16
15├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤15
14├┼BA┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤14
13├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤13
12├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤12
11├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤11
10├┼┼・┼┼┼┼┼・┼┼┼┼┼・┼┼┤10
09├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤09
08├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤08
07├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤07
06├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤06
05├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤05
04├┼┼・┼┼┼┼┼・┼┼┼┼┼・┼┼┤04
03├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤03
02├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤02
01└┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘01
**ABCDEFGHJKLMNOPQRST**

(注)この記事は2005年1月22日に配信したものです。

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