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第39号 「ヒカルの碁」考


サイト「囲碁サブノート」のほうで「囲碁入門メール通信講座」というコーナーで入門者の方の学習のお手伝いをさせてもらっていますが、これが開始してもう3年半になります。(注)

このコーナーで囲碁をはじめたきっかけなどを1回目の添削時に書いてもらっているのですが、講座開始当初、折も折、「ヒカルの碁」が雑誌連載に加えてテレビ放映が始まった時期と重なり、90%以上の人が「ヒカルの碁」がきっかけで囲碁を始めた、と書いていました。

それも、小中高生だけでなく20~40代の大人までがそうでした。
子供だけのブームと思っている人も多いようですが、小学生の親の世代である30~40代を巻き込んでのかつてないほどの囲碁ブームとなっていたのです。

「ヒカルの碁」の雑誌連載、テレビ放映が終了して2年以上経ち、囲碁ブームは一段落しました。
しかし「囲碁入門メール通信講座」に申し込んでくる人の多くがまだ、「ヒカルの碁」がきっかけで囲碁を始めたといっているのです。
まだ、囲碁ブームは終わっていない?

地域によってはCATVなども含め、テレビの再放送が行われている、ということに気がつきました。
それに、雑誌連載もすべてコミック本になっているし・・・
とにかく「ヒカルの碁」の影響は一過性のものではなく、未だにじわじわと続いているようです。

でも影響が徐々に小さくなっているのは否定できません。
結局、
「ヒカルの碁」という逸材を作者も日本棋院も生かし切れていないようです。

「ヒカルの碁」そのものについて言うなら・・・
私なら「ヒカルの碁」をあのまま終わらせずに、
佐為を22世紀に連れて行き、次のヒカルを見出す場面を作りたかった。
主人公はヒカルではなく、佐為なのだという発想が欲しかったなあ。
「ヒカルの碁」を読みながらそういう発想を持った人、結構いたのではないでしょうか。

そのとき、囲碁はどう変化しているだろう。
小目しかない平安時代の佐為が現代に来て星打ちをみて驚いたように、
22世紀では五の五や初手天元打ちが定石になっているかもしれない。。。

あるいは今は存在しない手が定石になっているかもしれない。

残念ながら、たぶん今生きている人の多くは『22世紀の碁』を見ることはでき
ませんが、想像しているだけでも楽しくなってきます。

でも、そんなのアニメにできませんね。
「ヒカルの碁」に出てくる打ち碁はすべてプロの実戦棋譜を使用しています。だから、囲碁がわかる人が読んでも本物感があるのです。

『22世紀の碁』なんて、元になるプロの棋譜がありません。
それにこの発想は手塚治虫氏の「火の鳥」のパクリかも^^;


(注)この記事は2005/4/16に配信されたものです。


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