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第40号 矛盾(むじゅん)

楚の国の人で、武器を扱う商人がいました。
彼は、矛(ほこ=やり)と、
盾(たて)という防具を売っていました。

矛を売るときには
「この矛はとても鋭くて、突き通せないものはない」と言い、
盾を売るときには
「この盾はとても堅く、どんな矛でも突き通すことはできない」
と言いました。

すると、ある客が
「それなら、その矛で、その盾を突いたら、どうなるのか」
と言われて答に窮したという話があります。

この中国の故事成語を語源として、
矛盾というのは
「つじつまがあわないこと。論理が一貫しないこと。」
を意味する言葉として使われるようになりました。

        ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

話は変わって。。。
囲碁の本や教材を探したり、読んだりすると
「黒番必勝法」とか「白番必勝法」
というタイトルが頻繁に飛び交います。
しかも同じ著者が黒番必勝法と白番必勝法の両方を書いていたりします。
黒が勝てば白は必ず負けるはずなのに・・・

これ、もしかして・・・矛盾?

囲碁の根底に流れる思想に『互角』という概念があります。
そう、定石はすべて互角の理論に基づいて成立しています。
互角だからこそ、その定石が打たれるともいえます。
どちらかが有利なら不利な方がその定石を打たなくなるので定石ではなくなります。

互角の手を両者が打ち続ければ勝負はつきません。
相手より少しでも有利な手を研究することが囲碁の進歩です。
その結果、定石が定石でなくなることもあります。
定石を変えていくことが囲碁の進歩なのです。

黒の必勝法を白が破り、白の必勝法を黒が破り・・・
黒番必勝法、白番必勝法・・・
も研究の表れというわけです。

矛盾だと思っても「矛盾」といわないで下さい。

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