March 15, 2007
第46号 囲碁教育の元祖
囲碁教育の元祖ってだれでしょうか。 いえ、歴史を紐解こうというのではないのです。 私が5~6級のとき、ふとしたきっかけで、ある囲碁の本を手に入れました。日本棋院の「級位者の日」の特別イベントでした。 そこで4連勝し、4連勝賞をいただいたのです。 4連勝賞・・・発音すると舌をかむのでご注意。 手提げビニール袋に こんなにもらっていいの? というくらいいろんなものが入っていました。 日本棋院の手提げ袋ってセンスいいんですよね。 あっ、中身はもちろん。。。 そこに在庫整理かなと思うほど古い本が3冊入っていました。 そしてその1冊が木谷實著「初歩の定石」(昭和52年発行)でした。 もちろんすでに廃刊で、最近囲碁を始めた人には手に入らない代物です。 在庫整理なんてとんでもない、貴重な本でした。 木谷實九段ってご存知ですか? 小林光一九段の義父、 そして今大御所といわれる 大竹英雄九段、石田芳夫九段、趙治勲九段、そして故加藤正夫九段。。。 などなどの師匠にあたる人です。 この本を読んで私は木谷實九段ってすごい人だと気がついてしまいました。 それまで大竹英雄九段や故加藤正夫九段の本を好んで読んでいましたが、 なんとその原点は木谷實先生の本にあったのです。 いや、師匠筋に当たる人だから当たり前、驚く方が変? 私ごときが言うのは失礼なことですが、 この大御所たちは指導書の執筆という点では師を越えていないのかもしれません。 現在の棋書の多くが木谷實九段の原著の焼き直しではないかと思えてしまうのです。 もちろん木谷實九段は棋士としても活躍し、戦後の囲碁界の中心となった人ですが、優秀な棋士を育てることができる人は強いだけではないのです。 その理路整然とした分類、まとめ方は今の棋士には超える人はいません。 この本、欲しくなってしまいましたか? タイトルは「初歩の定石」ですが、上級者向けです。 コピー差し上げてもいいんですが、公にやると著作権で怒られそうなので、古本屋で探してください。 案外、簡単に手に入るかもしれません。 |