April 13, 2007
第70号 なま碁の上達効果を見直そう
パソコンやインターネットが普及してガラリと様相を変えた分野は数多くあります。 いや、すべての分野が多かれ少なかれ影響を受けたと言っても過言ではないかもしれません。 囲碁も相当、影響を受けた分野です。 囲碁学習ソフト、これは本では分かり難い手順を直接囲碁教室で先生に並べてもらう野と同様にPC画面で示すことが可能になりました。 また棋譜管理ソフトでは、入力しておけばプロ棋士の棋譜をいつでも手順を追って再現することが出来ます。 囲碁対局ソフト、これは以前なら対局相手がいないことが原因で囲碁を止めてしまった人が多かったことに歯止めをかけているはずです。 ネット碁はさらに囲碁ファンの流出を防いでいるはずです。 はずです・・・ と書いているのは立証できないからです。 というか、ちょっと疑問を呈したいのです。 たしかに役に立つ、便利なのは間違いありません。 でも、 役に立つものがないほうが楽しいんじゃないの? 役に立つものがないほうが上達するのじゃないの? ちょっと前に、パソコンの囲碁ソフトと対局するより人間と対局している時のほうが脳は働いている、という実験結果が出ました。NHKBS囲碁・将棋ジャーナルなどで報道されたのを記憶されているでしょうか。 囲碁ソフトと対局していても、人間と対局しているときほど脳は使われていない・・・ うすうす感じていたことではあるのですが、 ネット碁のほうはパソコンを通して人間と対局しているのでそれほどでもないかも知れないのですが、知らない相手と対局する場合はどうなのでしょう。 かなり無機質に感じることありませんか。 敗勢になると「引き分け願い」を出して無勝負にしようとする人・・・ 極端な話、敗勢になると故意に回線を切って逃げてしまう人・・・ 人間相手では出来ないことが連発されているネット碁もあります。 顔も見えない知らない人との対局だと我々の脳はパソコン相手と同じように感じているのかもしれません。 どこのネット碁とはいいませんが、 囲碁というゲームの本質を知らない人がシステムやプログラムを作っているとしか思えないネット碁サイトもあります。 「引き分け願い」なんてボタンがあること自体がおかしいでしょ? そういう意味で、使ってはいけないネット碁もあるのです。 なま碁の効果をあらためて見直しましょう。 |