July 02, 2007
第90号 戦わずして勝つ!
以前、孫子の兵法について書いたときにメインの話ではなく、ちょっと触れたのですが、 孫子は戦争をすることは多大な被害をもたらすので、他の方策を採れるならばそちらの方が良いと説いているという話をしました。 戦わずして勝つのが最善というわけです。 囲碁の場合にも当てはまると言うと、 必ず薬が効きすぎてしまう人が出できてしまいます。 石が接触しないよう、接触しないよう、避けて通ってしまう人がけっこういます。 戦わずして勝つというのは、 戦いを仕掛けられたらとにかく逃げろ! と言う意味ではないのです。 負ける戦いは避けよ、ということです。 それには、 状況判断が必要です。 自分の不利な場所で戦いを仕掛けられたら、 真っ正直には戦わずに、最小限の犠牲を払って、大切な本陣を守る。 トカゲのしっぽ切りです。 囲碁では捨石って言いますね。 捨石を使わずに、欲張って全部生きようとすると、 それは相手の思う壺。 逃がしてくれたと思ったら、相手の術中にはまって、 相手の地模様が膨大になっていたりします。 逆に自分の有利な場所では、自分から仕掛けるべきでしょう。 もし、自分の有利な場所で相手から仕掛けてきたら、 絶対に逃げてはいけません。 木っ端微塵に粉砕してやりましょう。 囲碁で負ける原因の多くは 守るべきところと攻めるべきところの判断の誤まりなのです。 正しく守り、正しく攻めれば 相手にとっては必死の戦いでも 自分にとっては楽すぎて戦いとは感じられないかもしれません。 まさに 戦わずして勝つ! です。 |