January 01, 2007
第1号 そのあとが分からない
囲碁の本を読んだり、テレビ囲碁講座を見たりしていると、 「・・・これで黒有利です。」 などというくだりがよくあります。 でも、実際の対局ではそこから白に逆転されてしまうことがよくあります。 黒が勝つまで最後まで教えて欲しいと思ったことはないでしょうか。 大きな黒模様を作って、 「これで白は中に入って生きることは出来ません。」 という解説。 ところが実戦で試してみると侵入してきた白にまんまと生きられてしまったりします。 本に書いてあることって何かひと押し足りないな、と思うことがあります。 痒いところをもっとかいて欲しい。 黒が勝てるまで説明すれば1冊の本の予定が全10巻シリーズになってしまうし、20分のテレビ囲碁講座が24時間テレビになってしまう・・・ 本やテレビには当然の量的、時間的制約があるのでやむをえないかもしれません。 でも怖いのは初心者に 「どうせ勝てないのならそんな手覚えてもしようがない」 と思わせてしまうかもしれないことです。 こう打つのが正しいということを知っていても、後の打ち方に自信がないため打ちやすい自己流の俗筋を打ってお茶をにごすことになると、上達の芽を自ら摘んでしまうことになります。 こういう打ち方をしていると、あるところまでは順調に昇級しても、初段手前で大きな壁を作ってしまいます。 そのときになって後悔しても一度つけた悪い癖はなかなか直りません。 上達過程のどこかで、長期間足踏みする人は、初心者のころの自己流の悪癖がネックになっていることが多いのです。 初心者のうちこそ正しい打ち方を学ぶ必要があります。 初心者にとって、正しい手はその後の打ち方が分からないためちょっと怖くみえたり、無意味に見えることがあります。 でも、そのあと負けても良いからそこまでは正しい手を打とう、そのあとの打ち方は今度勉強しよう、でいいのです。 とにかく学んだ正しい手を信じて打ってみましょう。 そのあとの打ち方は今度また勉強しよう、でいいのだと思うのです。 |