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第136号 情報量と判断力

インターネットの普及によって、大量の情報が
容易に手に入るようになりました。


囲碁の世界も例外ではなく、入門書を買わなくても囲碁を始められるのではな
いかと思うほど情報が提供されています。


また、以前はタイトル戦の棋譜なども1年後に棋譜集などの本になるまで、
なかなか手に入らないのが当たり前でしたが、

それもネットを通してほとんどリアルタイムに見られるようになりました。


さぞかし、みんな上達が容易になったかと思いきや、
たいして状況は変わっていないというのが実情のようです。

株式市場や為替取引などの経済分野においては、

人間は情報量の増加と比例して総合分析力と判断力が低下していく、という
のが識者の間では常識になっています。

情報が多いほどよいのなら
情報収集すればするほどさらに情報収集しなければならなくなります。


その結果、終始、情報収集に明け暮れ、
それ以外のことは何もできなくなってしまうというわけです。

つまり、頭を使うことができなくなり、行く末は廃人です。
怖いですね。


囲碁においてもこれはそっくり当てはまります。

無料で得られる定石解説などをここぞとばかりどれもこれも収集しても、
消化できるものではありません。

本当に役に立つのは、たった一つ。

どの棋力レベルのときに、何を勉強して上達したか
という実体験なのです。


具体的内容つまり、定石の手順やら使い方やら

その類はそれこそ、その内容の本を探して買えばよい。


理想は、上達した人にその体験を訊くことです。


それをじっくり分析、判断して実践対局をしてみる。
最高の勉強方法ですね。

ただ、それはほとんど不可能なのです。


上達した人はどこにでもいます。
でも、ほとんどの人は上達した軌跡など正確に覚えていません。


私がど素人なのにこうして囲碁の情報を発信しているのは、
自分が上達した軌跡を良いことも悪いことも含めて
記憶と記録にとどめているからです。


ネットに落ちているさまざまな棋力レベルの無料情報
を無作為に集めても何の役にも立たないことを知ってください。


そして、あなたの上達の過程を成功も失敗も記録してください。


それはあなたが有段者になったあとでも
あなた自身のその後の上達にも役に立つはずです。


さらにその記録は
後輩の育成に力を発揮するでしょう。


囲碁は自分だけ強くなってもだめなんですよ。
決して、楽しくないはずだから・・・

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