January 06, 2007
第6号 検討会
囲碁を教えていて、プロ棋士がアマチュアから受ける一番多い質問は 「どうしたら強くなれるか」 だそうです。 この質問に対する回答でもっとも多い勉強法が (1)やさしい詰碁 (2)棋譜並べ の2つです。 いわゆる「薬」には即効性のものと遅効性のものとがあります。 一般的には西洋医学の「抗生物質」と東洋医学の「漢方」みたいなものでしょうか。 上記の2つの囲碁上達法は長期的には欠かすことのできない勉強ですが、いわば遅効性の「漢方」に属するものですぐに効果が現れるものではありません。プロと違いアマは効果の現れないことはどうしても長続きしないので、これと並行して即効性のある上達法も必要です。 そこでおすすめしたいのが対局後の「検討会」です。プロ棋士は「感想戦」と称して対局後必ずやっています。 これは今日の間違いを明日正すことが可能な勉強法です。 ただ、アマチュァには障壁が2つあります。 負けたときこそ上達の教材がたくさんあるのに、 「負けた碁は見たくもない」 という人が多いのは心理としては分からなくもありません。 しかし、これでは上達の機会を逃しています。 負け碁を分析するというつらい行為にこそ上達の可能性が秘められています。 でも「検討会」は自分だけではできません。 嫌がる相手も多いし、特にこちらが勝った時は初対面の相手に検討しましょうとは言いにくいものです。 これに対する対策は囲碁サークルでしょう。親睦と上達を目標とするグループ内で検討会を前提とした対局を行い、棋力アップを図るものです。 この囲碁サークルはネットではかなり増えていますが、楽しいばかりでなく、実際に効果のある方法だと思います。 もう一つ、初級者同士の検討でも有効か?という問題があります。 もちろん、指導者の助言が受けられればそれに越したことはありませんが、それがなければダメかと言えばそんなことはありません。 検討会の目的は自分のレベルでも冷静になれば分かる間違いの確認が中心で、それをはっきり自覚することで明日からの対局が一歩前進すること間違いありません。 また、検討会を通していろんな人の考え方を知ることはその考え方自体の是非にかかわらず、自分の発想を豊かにし、棋力を高めることに大いに役に立つことだと思います。 |